youtubeの「子ども向け」コンテンツの問題点

youtubeの「子ども向け」コンテンツの問題点

飲酒・不倫・離婚がまさかのyoutube認定「子ども向け」コンテンツに!?

2021/7/16

youtubeに投稿した「ゆかいなすうじ」という楽曲が、youtube運営から「子ども向け」コンテンツとして認定されるという珍事件がありました。なぜ”珍事件”と呼んだかは、楽曲を聞いていただければおわかりでしょう。
本記事では、子ども向けコンテンツ認定を受けてからの一連の流れと、youtubeの「子ども向け」コンテンツの問題点についてまとめておきます。
また、小さなお子様がいる方向けの注意事項にも触れたいと思います。

■一連の流れ

突然youtube運営より以下のメールが届きました。
「不健全な動画が子ども向けとして扱われる」というのは、ネタ系ボカロPとしてはオイシイ出来事ですが、このままでは子どもたちの健全な育成に悪影響を及ぼしてしまうかもしれませんので、すぐに再審査請求を送りました。
わかりますか。この「渾身のギャクが伝わらなかったため、笑いどころを説明する芸人」みたいな私の気持ち。切ない。
結果的にはすぐに再審査が行われ、「子ども向け」の認定は取り消されました。よかったよかった。

■問題点

動画が「子ども向け」コンテンツに設定された場合、以下のような変化が起こります。
  1. 広告がパーソナライズされなくなる(投稿者の広告収益が減る)
  2. コメント投稿ができなくなり、過去のコメントも見られなくなる
  3. 子ども向けコンテンツの関連動画としておすすめされやすくなる
1と2は投稿者にとって大きなデメリットですが、今回最も重要なのは3です。子どもに相応しくないコンテンツが子どもにおすすめされるのは、非常に問題がありますね。一昔前に「エルサゲート問題」が話題になりましたが、今でも同じことが起こり得るということです。
そもそもなぜ1年近く前に投稿したコンテンツの審査が今になって行われたのかは謎ですが、一番の驚きは、今回の「子ども向け誤認定」は「手動で審査した結果」ということです(メール本文参照)。
youtubeが動画の審査にAIを利用していること、およびそのせいで誤削除や誤BAN、収益化が通らないといった問題が発生していることは有名な話ですが、今回はそうではありません。人間が「ゆかいなすうじ」の動画を見て、「これは子どもに相応しい動画だ」とお墨付きを与えたのです。
参考までに、youtubeが定める「コンテンツを子ども向けと設定する必要があるかどうかを確認する方法」はこちらに書かれています。はい。「ゆかいなすうじ」はどう転んでも子ども向けではありませんね。
日本語がわかる人であれば、動画を最後まで、いや20秒見れば子ども向けでないことはわかるでしょう。したがって今回は
  • 日本語がわからないスタッフが審査した
  • 日本語が分かるスタッフだったが、タイトルとサムネイルだけ、もしくは最初の数秒だけを見て判断した
のどちらかだろうと思われます。いずれにせよ、正しく審査できていないのですから大問題です。
「子ども向けコンテンツ」を「子ども向けでない」と誤判定してしまうこと(False Negative)は最悪仕方ないとして、「子ども向けでないコンテンツ」を「子ども向け」と誤判定してしまうこと(False Positive)は絶対に避けなければなりません。
なお、youtubeに動画を投稿する際に投稿者自身が「子ども向け」設定をすることができ、設定した場合は(AIもしくは人間による)審査を経て「子ども向け」コンテンツとなります。本来、子ども向けコンテンツの認定ルートはこのオプトイン方式だけで十分なはずです。
にも拘らず、youtube運営が勝手に子ども向け認定し、投稿者が不適切だと思った場合に再審査請求を行うオプトアウト方式も導入されている理由がわかりません。投稿者がメールに気付かなかった場合、再審査請求がされないままになる可能性があります。古い動画であれば、投稿者が既に活動自体をやめている可能性もありますからね。
まとめると、今のyoutubeの子ども向けコンテンツ審査には以下2点の問題点があり、結果として子ども向けに相応しくないコンテンツが「子ども向け」として扱われている可能性があります。
  • 手動審査を行う者が適切に判断を行えていない
  • 認定にオプトアウト方式が導入されている
もしyoutube運営に関わる方が見ていたら、早急に改善策をご検討いただきたいです。

■小さなお子さまがいる方へ

ここまで読んでいただければ、youtubeで「子ども向け」とされているコンテンツの中にも、子どもに相応しくない動画が紛れ込んでいる可能性があることはご理解いただけたかと思います。
youtube kidsであれば安心、子ども向けコンテンツであれば安心というお考えは、捨てなければなりません。実際にご自身の目で確かめたコンテンツのみを見せるか、それが難しいようであれば、そもそもyoutubeは見せないという判断も必要になるかと思います。

この記事が皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

さいごに

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